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純谷吉松(Itoya Kichimatsu)


■2004年9月のニュース一覧
▼[2004.09.30]WizSex大好き
▼[2004.09.28]苺きんたま日和
▼[2004.09.26]いのちは道をみつける
▼[2004.09.24]女性とネット
▼[2004.09.22]not Think differentな会社
▼[2004.09.20]鼻先でカーソル
▼[2004.09.18]夜空の下で
▼[2004.09.16]phil on real
▼[2004.09.14]メンバーリストの向こう
▼[2004.09.12]チョコの媚力
▼[2004.09.10]否定すること
▼[2004.09.08]The following page
▼[2004.09.06]嘘のつき方入門
▼[2004.09.04]書を捨てよ,街に出よう
▼[2004.09.02]星に願いを?

■2004年10月のニュース一覧
■2004年08月のニュース一覧


 
[2004.09.30]
  WizSex大好き


 ▼ネット利用の遠隔セックス『シニュレーター』(WIRED NEWS)
  http://hotwired.goo.ne.jp/news/news/culture/story/20040929203.html


 「わたしは人の体が嫌いです。自分の体も,相手の体も,きたならしい,けがらわしい。精液も愛液も,いやらしい。シニュレーターは,相手の体と関わらなくていいから,好き。あとはもうひとつ。自分の体から解放してくれれば,WizSexはできあがりです。ソレマデハ,シニュレーターデ愉シミマス」。

quote:シニュレーターはおとなの玩具をパソコンにつなげて,ほかの人がインターネットを介して操作できる装置。シニュレーター・コムからダウンロードしたソフトを起動し,玩具にワイヤレスの受信機をとりつけ,スイッチを入れてサイトで玩具に名前をつける。玩具の名前を知っている人なら誰でも画面上の操作パネルを使って,玩具をブンブンうならせることができる。また,発信機も兼ねた筒状の男性用バイブレーターを使うことでその動きの速度や力の加減を計測し,結果をネットで送信,受信した相手側の玩具で震動に変換してサイバーセックスを行うこともできる。

 「セックスは慣れるもの。いつも同じ顔,いつも同じ体,いつも同じ声は,最初はいろいろなことを感じさせてくれるけど,そのうちありふれたものになる。だから違う服装をしてみたり,なにか違う行動をしてみたりするけど,目の前にいる人は変わらない。そこでシニュレーターの出番なんです。違う顔,違う体,違う声があなたの頭のなかに充満する。セックスは頭のなかでするものということを思い出させてくれるでしょ。ハジメテ感ジタトキノヨウニ,シニュレーターハ悦ベマス」。

 「あたしは,人前で水着姿になることなんて裸になるのとおんなじに思えます。そんなだから,好きな人とセックスはしたいけど,でも始めることができません。人前で裸になるなんて,悪いことだとしか思えません。でも,悪いことは快楽です。◎彼以外とセックスをするなんて,とんでもないこととしか思えません。貞淑さを表したいなんて思わないし,セックスも好きだけど,誰とでもとは思えない。複数の人と関係するなんて,悪いことだとしか思えません。でも,悪いことは快楽です。◎ダカラ,シニュレーターハ,心地ヨイ」。



 
[2004.09.28]
  苺きんたま日和


 ▼デスクトップ画像をあぷろだにUpするトロイの木馬が出現(ITmedia News)
  http://www.itmedia.co.jp/enterprise/articles/0409/25/news002.html


 人のデスクトップをみて楽しいかと云うと,みられている人には申し訳ないけどやっぱり楽しいものですよ。すみませんね。

quote:シマンテック社はトロイの木馬,Trojan.Upchanに対する警告を発している。掲示板ではこのトロイの木馬は「苺きんたま」と呼ばれている。このトロイの木馬を実行してしまうとデスクトップのスクリーンショットを8分おきに取り,アップローダで公開する。

 ここ2日間ほどだろうか,楽しませてもらった。2ちゃんの大人の実況板でずっとみてたんだけど,最初はふ〜んと思ってただけだけどずっとレスを追い続けてしまった。定期的にいろんな人のデスクトップ画像がアップされてくる。ときたま,個人情報込みの画像があったり,とほほな画像があったり,あいたたたな画像があったり。アップされるのは2ちゃんねるプロバイダーのあぷろだなのでアップから24時間経つとみられなくなるが,みて笑うぶんには十分な時間だ。

 なぜかWinnyで頒布しているような記述が多いが,ひっかかった人の報告だとほとんどはあぷろだにあがっていたエロいコメントのファイルを落としてひっかかっているように感じる。まぁいまごろはnyでもたくさん出回ってるのかもしれないけど,あぷろだはウイルス拡散のよい道具だと感じた。あぷろだにアップして2ちゃんの人気スレにでも書き込めばサクサクひっかかってくれるようだ。また,あぷろだに画像をアップして2ちゃんで実況してもらえれば,物笑いの種になる環境もできあがる。いやらしいウイルス,のポイントをあれこれ的確にとらえた,巧みなウイルスだなぁと感じた。あはは。



 
[2004.09.26]
  いのちは道をみつける


 ▼ANts P2P2P: A New Approach to File-Sharing(Slyck News)【英語】
  http://www.slyck.com/news.php?story=567


 「いつからわたしたちは,相手の名前を知らない,この社会に慣れたのだろう」。

quote:従来のP2Pファイル共有ではファイルを持つパソコンに直接接続するため,相手がすぐにわかり,多数の著作権侵害の訴訟が起きた。しかしいま,匿名性を持ったミュート(MUTE)アント(ANTs)というソフトが登場している。それらはほかの人を経由することでファイルを送信する。どんなに自分の望まないファイルを経由したとしても,郵便配達人を逮捕することができないように,ファイル転送の代理人は捕まえられないとアントの開発者は云う。弁護士は,通過しているパケットの内容をあなたが知らないなら,責任はないと述べている。人々は安全で効率的に情報をやりとりする方法をみつけるだろう。それは人々が望むものだからだ。ジュラシックパークにこんな言葉があった。「いのちは道をみつける(Life will find a way)」。

 ある意味ではWinnyが世界の先端を走っていたファイル共有の匿名化は,少しずつ広がりをみせている。効率性を持てないフリーネット以外の選択肢としてミュートはかなり以前からあったが,それにアントが続き,高い匿名性のなかでいかに効率のよいファイルの転送をするか,両者が競っている印象がある。ミュートの方が使い始めやすいが,アントは効率性と匿名性で勝っている。いまのところだが,使いやすさ,効率性,匿名性のバランスがもっとも優れているソフトはまだWinnyである。だが,Winnyに対してなにもできずにただほえているだけの京都府警の変態のみなさんが恥をさらしているおかげで,ミュートとアントの開発が促進されているように感じる。強い匿名性を持ったファイル共有はまもなく実現するだろう。そしてファイル共有だけでなく,ネット上で情報をやりとりするすべての分野で相手がすぐに指差されるような状況は,消え去る。

 「わたしに,一生涯愛することができる音楽を聴かせてくれた人を,わたしは知らない。わたしに,生活の危機から脱することができる役立つ教本を教えてくれた人を,わたしは知らない。わたしに,生きる意志を与えて絶望のふちから救い出す言葉を与えてくれた人を,わたしは知らない。ネットワークは,いつしかそのような場所となっていました。相手がわかることを利用して,社会の仕組みを壊し続けた人々がいたために。でもこの,相手がわからない社会は,不都合もいろいろあるけど,仕方ないこの社会のルールとなりました。そして,人は生きていくのです。生きるのに必要な道は,ここに用意されていたのですから」。



 
[2004.09.24]
  女性とネット


 ▼Women, and the future of IT(The Register)【英語】
  http://www.theregister.co.uk/2004/09/22/interview_prof_hall/


 わたしは「女性とは」とか「男性とは」などと述べる趣向も知識も持ち合わせていないので,なんとなくの話しかできないのだけど。女性の方がネットを使いこなす能力は高いのではないかと思うことがある。

quote:コンピュータ科学者で政府へのアドバイザー,英国コンピュータ協会の会長でもあるウェンディ・ホール氏にインタビューした。彼女はITの現場になぜ女性がほとんどいないか,それを解決するためになにを行うべきかについて話した。過去の電子機器科学の現場では女性も男性と同じ割り合いでいたが,80年代中期にパソコンが導入されてから状況は一変した。だが10年前にインターネットが一般的でなかったことからいまの変化を示し,これからの10年に変化がないと思う理由はないと述べる。産業界は変化に向かっており,そこが若い女性の挑戦の場となるだろうとした。

 世の中には女性と男性をわけて考えること自体嫌いな人も多いようだが,自然と違いは浮かび上がる。ネットで目にするのは男ばかりだというのも,そのひとつかもしれない。とりあえずその理屈で話を進める。男性がしなくて女性がすることのひとつに化粧がある。着飾るというのも,女性の行為を示す場合が多い。そのふたつはともに自己の演出という意味合いを持つ。その点でネットワークは,自分を1から作り,表すことができる場所として有用であり,とっておきの場所であろう。いままでの人生や,みた目を気にせず,好きな自分を作る,それは,男性よりも女性の方が得意だろう。

 携帯電話のメールを送ってくるのはなぜ女の子が多いのだろう。人と連絡をとる,接続する,という行為に男女差はなさそうな気もするが,だが,そこに運命を感じるか,ただの偶然の連続,または大きな意味のないことの繰り返しととらえるかは大きな違いだ。そして運命として受け取る生き方の方が楽しい。そこで思い出すのは,赤い糸,という思考だ。小指と小指を結ぶ赤い糸。赤い糸の思考を思いついたのは女性なんぢゃないかといつも思っている(男がそんなことを思えるとは考えられないだけだが)。そして一概に云いきるのは間違いという人もいるだろうが,その考えを深めるのに向いているのも女性と思う。…だから,ネットワークでの女性はより,生きて,いるようにみえる。それらから,男などよりもよほど向いていると考えたいのだけど,それはちょっと強引かな。



 
[2004.09.22]
  not Think differentな会社


 ▼iPodの楽曲コピーソフトがAppleの圧力で公開不能に(ITmedia News)
  http://www.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/0409/17/news015.html


 「クレイジーな人たちを讚えよう。はみだし者,反逆者。トラブルメイカー。四角い穴に打ちこまれた丸い杭。物ごとを違うところからながめている人々」。いまのアップルは,differentな人々を讚えているかい?

quote:iPodからマックへの楽曲コピーを可能にする無料のiTunes用プラグイン,iPodDownloadがアップル社からの圧力によって公開停止を余儀なくされた。作者のウェブページには,サイトのホスティング会社から送られてきたメールが掲載されており,それにはiPodDownloadが許可されていないiTunesソフトウェアコードを使用していると連絡を受けた,と書かれている。

 またアップルがやらかしている。本当に,ことiTunes,iPodがらみの話だと,アップルの姿勢はMS以下のていたらくだ。今回はiPodから曲を逆転送するプログラムを踏みつぶそうとしている。プラグイン作成のライセンスに違反しているからだと云う。間抜けな行為だ。そう思っているのは,別にわたしだけではない。世界中に山ほどいる。一部の人は,iPodDownloadをミラーして配付を続けている(iPodDownload 1.0 ミラー,当サイトのキャッシュ)。アップルは,ミラーサイトの作者が云っているように,「Think different」(コピー)をもう一度,読み直すべきだ。

 「彼らは規則が好きじゃない。現状を維持するなんて気にもかけない。」と,Think differentの一節にはある。ソフトウェアの開発に,規則などあってはならない。必要であるものを生み出す力をひねり潰すことが,OSメーカーのすることだろうか。傲慢な力で,小さな発明を潰すさまは,醜く,限りなくみっともない。以前プレイフェア・プロジェクトと呼ばれていたhymnキャッシュ)を妨害し続けたときもそう。本当に,iPodが売れ出してから,アップルはMS並みに落ちぶれた会社となった。



 
[2004.09.20]
  鼻先でカーソル


 ▼Nose-steered mouse could save aching arms(NewScientist.com)【英語】
  http://www.newscientist.com/news/news.jsp?id=ns99996400


 鼻が利く人は,右手を縛りつけるマウス以外のものを,もうみつけているかもしれない。

quote:あなたがマウスでパソコンを操作するのに飽きているなら,鼻で操作することも可能だ。オタワ情報技術研究所の発明家は,鼻で操縦するマウス,ノウズを開発した。ノウズを使うにはまずウェブカメラでユーザーの顔を撮影し,鼻部分の25ピクセル部分を記録する。その部分を追尾してカーソルを動かす。左右の目を閉じることで,クリックしたことになる。しかしあるアナリストは,ノウズを使っている様子はかなりマヌケかもしれないと懐疑的にみている。

 このニュースを取り上げたThe Registerの記事が,これでネットサーフィンでエロ画像を楽しんでいるとき,右手をマウスの上に置いとかなくてすむねすばらしいと書いてあって笑った。ブラウジングするだけなら,両手がフリーになるわけで,好きに使える。わかりやすい使い方だ。実際,鼻を上下左右に動かしてカーソルを動かすことは可能のような気がするし,アナリストが云っているほどマヌケでもないような気がする。(29インチモニタぐらいなら)画面内のどこに鼻を向けても目は画面の固定個所をみていられるし,クリック操作もたぶん慣れ次第だろう。

 もちろん普段の作業をしているときは,両手はキーボードに置いたまま,鼻を動かしてカーソルを操れる。これはこれで,よさ気な「インターフェイス」のような気もする。「フェイス」は「顔」であり,顔を動かしてカーソルを動かすというのは,もっともな操作法かもしれない。鼻であしらう,鼻摘みにする,鼻につく,鼻を欠く,鼻息をうかがう,と,鼻を使う言葉はあまりよい意味がないが,もしかしたら,鼻で笑うことができない,便利な鼻の使い方かもしれない。



 
[2004.09.18]
  夜空の下で


 ▼Smart telescopes probe galactic mysteries(The Register)【英語】
  http://www.theregister.co.uk/2004/09/17/telescope_iq_grb/


 ネットワークで,晴れ渡る夜空がある。

quote:英国の天文学者たちはソフトウェアによってコントロールする望遠鏡のグローバルネットワーク・プロジェクト,ロボネット-1.0を開始した。このプロジェクトによって連続的な24時間体制の観測ができ,ガンマ線爆発のような突然の観測対象にも対応できる。複数の望遠鏡がネットワーク化され,観察データを連続的に集め,分析して警告を発することもできるようになる。現在ネットワークは,リバプール望遠鏡(北大西洋)とフォークス北望遠鏡(ハワイ)を結んでおり,まもなくフォークス南望遠鏡(オーストラリア)が加わる。ネットワークは6台の望遠鏡をつなげるまで拡張を続ける。

 『その町は,いつも曇っていました。年中,空は雲で覆われていて,太陽の光が射すことは,年に数回しかありません。もちろん夜も空は雲ばかり。太陽と違って月は欠けてしまうので,たまに月がみえる夜が新月だったりしたら,長いこと月はみられません。そんな町に住んでいる,天文学者がいました。家の屋上には立派な天体望遠鏡が置いてあり,いつでも空をみられるようにしていましたが,でもみえるのは雲ばかりです。隣の家の女の子は,その天文学者に云いました。「こんな曇ってばかりなのに,天文学者をしている意味はあるの?」。天文学者はにっこりと笑って答えました。「日の光がさんさんと降り注ぐ昼間でも,実は空には星がいっぱいあるんだよ。たまに,昼間に月がみえるだろう? いつも空には,星も月もあるのさ。だから,意味はあるんだよ」』。

 で,そんな曇りだったり昼間だったりしているときも,世界中のどっかでは晴れてちょうど夜な場所があるはずだ。そこで観測を行えば,24時間,絶え間なくすべての夜空を観測できることになる。将来,地球上の何百ヶ所に同規模の望遠鏡を設置し,すべてをネットワークでつなげば,くまなく夜空すべてを見渡すことができるようになる。曇りの町の天文学者も含めて,地球上のすべての人が天文学者になれる状況が整うだろう。夢のような話と思うかもしれないが,夢は夜空の下でみるものだよ。



 
[2004.09.16]
  phil on real


 ▼「音声認識を人間の脳のレベルに」――Webの父が呼びかけ(ITmedia News)
  http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0409/15/news052.html


 すべてのウェブ上の言葉を,言語として認識できる能力があれば,どんな新しい言葉も普及していない言葉も言語として認知できる。ネットワークを土台として,フィルがディスプレイで話し出す。

quote:W3C(ワールド・ワイド・ウェブ・コンソーシアム)の技術統括責任者であるティム・バーナーズ・リー氏はカンファレンスの基調講演で,音声認識システムへの取り組みに力を入れ,この分野を活性化させるよう呼びかけた。同氏は,音声認識を人間の脳による認識のようなレベルまで引き上げなければならないとし,W3Cが策定する標準で,音声認識の高度な活用が促進されると述べた。

 ネットワークによる膨大な情報の保管とその情報の自由な流通,そして完璧なる音声操作,このふたつで頭に浮かんだのはナレッジナビゲータだ(過去記事)。ナレッジナビゲータは,物笑いの種だった。そんなものが実現するときには,いま生きている人は誰ももう生きてないよと失笑を買った。だがそれから10年ちょっとで,ひとつ目の情報の保管と流通は,実装が目にみえてきた。もちろんまだまだそれを阻害しようとしているアホ(著作権が大事だと云いたい人たち全員)は残っているが,滅びるのはもう間近だと多くの人が気付き始めている。そして,ナレッジナビゲータが情報を参照して引き出す場所,は完成する。

 問題はもうひとつの音声認識だ。タッチパネルと音声で操作するナレッジナビゲータだが,そのほとんどはフィル(エージェント)に話しかけることですんでいた。だが現実の音声認識をみると,ずいぶん前にIBMなどが製品をあれこれ売っていたような気がするが,いまだに音声認識は使い物にならないものの代名詞でしかない。実際,バーナーズ・リー氏が云っているようにまともに使えるようになるにはエライ発展が必要だろう。だが,ネットワークの進化をまざまざとみてきた人間は,もうナレッジナビゲータを笑わない,笑えない。実現可能だと信じられる。遠くない,未来に。



 
[2004.09.14]
  メンバーリストの向こう


 ▼チャットのお相手、実は人工知能プログラム?(WIRED NEWS)
  http://hotwired.goo.ne.jp/news/news/culture/story/20040913201.html


 「いまもメンバーリストに登録されている人は,そこにいるんだろうか」。

quote:AOLのインスタント・メッセージ(IM)のユーザーにいたずらする,チャッティングAIMボットという無料サービスがある。このサービスは人工知能を利用した対話型エージェントが標的のユーザーと当たり障りのない会話をし,そのあとで自分がロボットであるとユーザーに告げるというもの。会話が終わると,ボットはいたずらを仕掛けた張本人に会話の全文を転送する。

 「ウサギさんとはよくチャットをしていた。一晩中チャットで会話し,わたしは寝ずに学校に行ったこともある。ウサギさんもきっと寝ないで仕事に行ったのかな。それとも,あまり時間に関係ないお仕事をしてるんだろうか。よくよく考えると,わたしはウサギさんのリアルでの名前も,顔も,住んでいるところも,なにも知らない。一度会ってチップをもらう約束をしたけど,待ち合わせ場所で結局ウサギさんのことをなにも知らないことに気付いて,帰ってきてしまった。チップは,鍵をかけないコインロッカーを決めてもらって受け取ることができた。

 …ウサギさんと思われるIPから不正アクセスがあったのは,それからちょっとしてだった。その不正アクセスはわたしのPCから日記を持ち出し,結局わたしの日記はあちこちのアップローダにコピーされてみんなの笑いものになっていた。くやしい…,きっとウサギさんを犯人に見立てたいたずらを誰かが仕掛けたんだ。でも,それ以来ウサギさんとは会えずにいる。チャットはずっとログオフになってて,メールしても宛て先不明で戻ってきてしまう。不正アクセスは全部ブロックするようにしたけど,ウサギさんがどこに行ったのか,わたしは気になった。見つけ出すことは簡単だ。チャットサーバーにクラックしてアクセスし,ログから変異を読み取ってウサギさんの現在のIPを探し,そこにピングを打ち続けてみればいい。ウサギさんなら必ず,わたしになにかメッセージを送ってくるはずだ。でも,いま考えると…。あのときチャットしてたのは本当にウサギさんだったんだろうか。人工知能がわたしの相手をしてただけなんぢゃないだろうか。なら,わたしはいったい誰に仕返しすればいいの。わかんな(disconnection)」。



 
[2004.09.12]
  チョコの媚力


 ▼Nokia 7600にピンクの限定色、チョコ付き(ITmediaモバイル)
  http://www.itmedia.co.jp/mobile/articles/0409/01/news042.html


 そういや,ノキアは前にもチョコを売ったことがあったな(ASCII 携帯24の記事)。売れるんかなぁ,売れんやろなぁ(^^ゞ。

quote:ノキア社はノキア7600のピンクの限定色着せ替えパネルを10月1日から発売し,それにあわせてノキア7600のデザインを再現したチョコレートをプレゼントする。ノキアストアなどで販売する。

 「チョコレートの原材料となるカカオの原産地は,紀元前の中南米にさかのぼります。そこで栄えた古代マヤ文明では,チョコレートは神への贈り物として扱われました。そして一部の部族では,カカオ豆自体を貨幣として扱っていました。ニカラグアでは,うさぎ1匹が豆10粒,奴隷1人が豆100粒だったという記述があります。そしてマヤでは女性を一晩,カカオ豆8〜10粒で売っていたそうです」。

 「重要なのは,ほんの200年ほど前まではチョコレートには媚薬としての効果があると強く主張されていたことです。いまはそんな話はあまりきかないかもしれませんが,みなさんもチョコレートを手に取ってその香りと味に接するとき,似たような感じを受けるのではないでしょうか。チョコレートに含まれるカフェインとテオブロミンが神経を刺激しているのは確かで,それもあってそのような考えに至っているのかもしれません。英国の小説家,ノーマン・ダグラスは書いています。『チョコレートは愛撫に似た効果を持つ。それは,肉体よりも心に刺激を与えるのだ。チョコレートを禁じられたら,可愛いメイドたちは頼りになる仲間をなくしたような気持ちになるだろう』」。さて,話し相手も求め続ける携帯電話と甘いチョコレートは,切なる接点を持つようです。(referred to 『チョコレートの本』ティータイム・ブックス編集部



 
[2004.09.10]
  否定すること


 ▼iTunes Japan hits 'inadequate DRM' hurdle(The Register)【英語】
  http://www.theregister.co.uk/2004/09/08/apple_itunes_japan_hitch/


 すべてを否定せよ。間違いをひしと認めよ。そこになにも恥はない。それが,正しいあしたを作る,唯一の方法だ。自分を否定できる者こそが,あしたを作れる。

quote:朝日新聞の記事によると,日本のレコード会社はiTunes ミュージックストア(iTMS)のフェアプレイと呼ばれるデジタル権利管理(DRM)は不適切であるとし,楽曲の提供を拒否している。既存の日本のデジタル楽曲販売はCDへの書き込みを許可しておらず,最低でも1曲200円となっていて米国のiTMSの1曲108円よりも高い。レコード会社は朝日新聞の取材に対し,200円以下ではCD販売に影響するとしている。が,アップル社のマーケティングチーフである前刀禎明氏は,iPodが売れている影響力は大きく,レコード会社は流れに逆らうことはできないと述べている。

 もう飽きたわこんな話を聞くんは,とみんな思っているだろう。今年の上半期に始めたいと去年は云うとったのに,上半期が終わったどころかもう9月。アップルジャパンも動いてはいるんだろうけど,結局憶測話しか伝わってこない。ロキシオもそうなんだろうけど,もう話になりませんドツボですと云う現状なんだろう。いますぐ始まったとしても,フェアプレイよりも厳しいDRM,1曲200円以上と云うそらiTMSとちゃうでしょというものになるんだろう。まったく,くだらない毎日を続けているものだ。

 人は常に,自分を否定して生きていくものである。きのうと同じ自分で満足する人間に,あしたまで生きている必要はない。どういうカタチであれ,きのう以上になるべきであり,そのためには,きのうのすべてを否定することもおそれてはいけない。絶対正しいきのうはどこにもないが,絶対正しいあしたは必ずみつけられる。いままでをすべて否定しても,正しいあしたを構築することが唯一の歩む道である。それができぬものには,生きている資格はなく,いっそのこと,死んでもらった方がよい。いまの日本のレコード会社はその典型である。



 
[2004.09.08]
  The following page


 ▼Has Your Broadband Had Its Fiber?(PCWorld.com)【英語】
  http://www.pcworld.com/news/article/0,aid,117684,00.asp


 「ボクらは『コインを拾っている』」。お話を進めるかどうかは,ボクら次第だ。

quote:ベライゾン・コミュニケーションズ社は第3四半期中に,ダラス地区で約10万人に光ファイバー接続(FTTH)を提供する。ほかの各社も,DSLサービスの帯域幅上昇を目指している。数年前には加入者ごとに1000ドルかかるというコストによって,FTTHはまったく始められていなかった。たった2年で,2〜3世代の技術革新が起きたようなものだというアナリストもいる。日本ではファイバー・ドリーム(PCWorld.comの記事)がより現実になっており,6月末時点で140万人のFTTH加入者がいて,日本のブロードバンド利用者の9%に及んでいる。

 「明るい月夜で眠れなかったニルスは,コウノトリと一緒に浜辺に行くんだ。そしてひとりで浜辺を歩いていると,目の前に急に街があることに気付く。夢かと思いながらも探検していると,どうも街も人も昔っぽい。にぎやかな通りを歩いていると,商人たちがニルスにビロードやレースなどをみせて必死に買わせようとするんだ。しかも銅貨1枚でいいから,ぜひ買ってくれと云う。ニルスはもちろんお金を持ってないから,商人たちは悲しくて泣いてしまう。そこでニルスは,さっき浜辺に古びた銅貨1枚が捨ててあったことを思い出す。急いでそれを取りに戻ってもう一度お店に行くと,街は跡形もなく消えてしまっていたのさ。

 あとでコウノトリに聞いたところによると,昔ここにはビネタという街があった。けれどあまりにぜいたくをして神さまの怒りに触れ,海の底に沈められてしまった。でも,街は滅んだのではなく,100年に1回,1時間だけ昔の通り地上に表れ,もしそこでモノを売ることができたら,また元通りになれるのだと云う。もしモノを売れなかったらまた100年間海に沈んだままになるんだ。ニルスは銅貨を拾わなかったことで,街を救えなかったことをひどく後悔し続けた。…そんなお話さ」。ニルスは銅貨を拾わなかったからなにもできなかったけど,でもボクたちはすでに銅貨を持っている。ネットワークという銅貨をきちんと持っているから,街を救うこともできるし,実はすべてを変え,なんでもすることができる。あとは,お話を進めようとするか,どうか,だけなんだよ。(『ニルスのふしぎな旅』セルマ・ラーゲルレーフ『.hack//黄昏の腕輪伝説(2)』依澄れい



 
[2004.09.06]
  嘘のつき方入門


 ▼SETI has not found ET: official(The Register)【英語】
  http://www.theregister.co.uk/2004/09/02/alien_no_no/


 世界をだますことなんて簡単さ。なんだったら僕が,だましてあげるよ。僕以外は,誰も気付かないようにネ。

quote:SETIはETをみつけてなんかいない。ニュー・サイエンティスト・コムの記事によると面白い信号を電波望遠鏡がキャッチし,SETI@homeプロジェクトが非常に興味深いと述べたと報告されていた。だがSETIの主任研究員は,わたしたちはそれを観察し続けているが,大きく驚いてはいないと述べている。また研究員はBBCとのインタビューで,異星人との接触だという認識は「誇大広告と雑音」であるとの考えをしめした。わたしたちと通信をするような異星人はまったく発見されておらず,残念ながらわたしたちは再びリラックスして過ごせるだろう。

 わたしもどこかのブログのリンクをたどって,この信号受信のニュースを報じているCNET Japanの記事を読んでいた。だがBBCの記事や↑のThe Registerの記事を読むと,報道は真っ赤な嘘,興奮し過ぎて生じた誤報だと認識できる(もちろんその反発記事を100%信じればだが)。このニュースを取り上げている個人サイトのブログもいくつかみた。「異星人からの通信の可能性も」なんてタイトルがついていれば,そりゃ興味を惹かれてもおかしくない。

 が,何度も云っていることだが,テキストには必ず意志がある。新聞でも雑誌でも,中立的な立場で公平平等に報じていると云っていても,そこにはなんらかの意図がある。また,一部のニュースだけを報じることで,それだけを広く知らしめようとする意図もある。ウェブにはいっぱい嘘があるのはわかっているが,一部のメディアを無意識に信じてしまう人は多い。大手新聞が嘘をつくはずがないと思っている人もいる。だがそんなことはない。グーグル・ニュースで取り上げられているメディアでも,興味を惹くテキトーなタイトルを付け,本文中に巧妙に嘘を織り交ぜているのは普通のことだ。ウェブの伝達能力の早さは,余計に嘘の拡散を手伝う。今回のこのニュースで,もう一度それをきちんと認識しなくてはと思った。



 
[2004.09.04]
  書を捨てよ,街に出よう


 ▼Blanket Wi-Fi smothers Amsterdam(The Register)【英語】
  http://www.theregister.co.uk/2004/09/02/amsterdam_wi_fi/


 もう引き篭もっている必要はないのだよ。街自体が広大な,情報の荒野になりたがっている。

quote:Wi-Fi網がアムステルダムを覆い尽くす。アムステルダムは,Wi-Fiがほとんどどこでも利用可能になるヨーロッパで最初の首都になるだろう。ホットスポット・アムステルダム社は125のベースステーションでアムステルダム市内を覆い,安い無線接続サービスを提供すると発表した。オランダでは,レンブラントの出生地であるライデンの大学街で,街を覆う安い無線サービスが提供されている。

 iPodが次に大きな進化をするとなると,ビデオか,無線ネットワークのどちらかだと云う話を聞く。まぁiPodの売れ行きは無駄なほど好調なのでアップルにとっちゃああえてそんなことする必要もなさそうだが,我々の発想の先を行きたいのなら,当然どちらかに手を付けていてもいい時期にきているだろう。ビデオはカラーのディスプレイを付けてクイックタイムムービーを転送できるようにすればいいだけなので簡単だが,発展性がない。やはり,最強の面白さをつれてくるには,Wi-Fiネットワークだ。1曲も持ち歩かなくても,無限の曲を聴き放題になる状況を,作ることができるのだから。

 が,それには,街自体がWi-Fiネットワークで覆われている必要がある。ホットスポットなんかぢゃダメだ。街全体が覆われていなければいけない。アムステルダムの話は,楽しみも兼ねて見守る必要があろう。1日4.95ユーロ,月15ユーロ弱という料金は許容範囲だが,回線速度が256kbpsと万全ではない。ぃゃ,AirH"と比べたらそれでも十分か。Wi-Fiネットワークの被覆化が進めば,すべての携帯電話のIP携帯電話への移行も進む。至大な通信網の変革を呼び起こせる。さて,日本では,誰がやり始めるのかな。



 
[2004.09.02]
  星に願いを?


 ▼マイクロソフトも音楽配信事業に参入(asahi.com)
  http://www.asahi.com/english/svn/TKY200409010208.html


 お星さまはなんでもかなえてくれます;-)。

quote:人気のあるアップル社のオンライン音楽配信サービスのあとを追う形で,マイクロソフト社もネットでの音楽販売を開始する予定であるという。この市場には競争相手がひしめいているが,マイクロソフトにとって問題になるのはアップルのみだとの見方がある。ウインドウズメディアのデジタル権利管理(DRM)はウインドウズPCで使うことができるので大きな助けになるが,ユーザーが使いやすさと魅力を感じるかどうかにかかっている。だがマイクロソフトには,ブラウザ戦争で証明したように,参入が遅れても追いつく能力がある。

 西欧では2004年に颯爽とブレイクしたネットでの音楽販売が,2009年には年間35億ユーロの売り上げになるという調査結果が出ている(Zeropaid.comの記事)。完璧に後塵を拝している日本なんだけど,CCCDにさんざんダメ出しされたからと云って普通のCDに戻ったりしたらもっと間抜けだ。CCCDをなかったことにしたいならオンライン販売だけに絞るべきだろう。出版について,紙を捨てた者の勝ちだと述べた(過去記事)。音楽も同じで,最初にメディアを捨てた者が勝てる。CDだのMDだの云ってる時点でどぉしようもない腑抜けなのである。iTMSが標準になりつつあるが,それはかえってありがたい。ウインドウズ環境ではiOpenerのおかげで,よりiTMSのファイルが扱いやすくなってきた(iOpenerのダウンロードはhymnプロジェクトのページから)(キャッシュ)。アップルのフェアプレイDRMの詳細はDaeken's weblogのページで。 DVDが普及したのはDeCSS,DVD Decrypter,OSExなどがあったからである。iTMSも順調に同じ道をたどっていてうれしい;-P。

 なんにしても,いま日本で音楽をつかさどっている人たちが望んでいるような社会など未来にはない。あっても壊されるだけだ。壊されたからDVDは普及した。最初から壊されるのだからなくても同じだと思うが,まぁプロテクトしなきゃ始めさせてくれないというのだからしたらいい。結局はいまのアップルと同じ憂き目をみるだけだ。MSのウインドウズメディアDRMをクラックした話はほとんどきかないというかもしれないが,その筋の人によるとMS対策の方が手慣れたものなので,アップルよりも楽だと云う。登場から結構な時間が経ったのに,プロテクトを外したくなるファイルがないのがウインドウズメディアDRMの現状である。願わくば,クラッカーがこぞって手に取ってくれる状態になるよう,星に願いをかけるんだね,レドモンドのみなさん。



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